育成就労の制度を知る
人手不足の分野で、3年間の就労を通じて特定技能1号の水準まで人材を育てる制度です。人が足りない仕事で、3年間働きながら技術を学び、特定技能1号で働ける力を身につけるための制度です。
技能実習制度を発展的に解消してつくられた制度で、外国人本人の意向による転籍が一定の条件の下で認められます。技能実習の制度をやめて、新しく作られた制度です。条件を満たせば、本人の希望で働く会社を変えられます。
まだ始まっていない制度です
- 施行日
- 令和9年4月1日(この日から育成就労外国人を受け入れられますこの日から、育成就労で外国人を受け入れられます)
- 監理支援機関の許可監理支援機関の許可(申請の受付)
- 令和8年4月15日から施行日前申請の受付
- 育成就労計画の認定育成就労計画の認定(申請の受付)
- 令和8年9月1日から施行日前申請の受付
施行日前申請の受付は外国人技能実習機構が行います。分野別運用要領や審査基準は準備中の分野が残っています。申請の受付は外国人技能実習機構という団体が行います。仕事の分野ごとの決まりは、まだ用意できていないものがあります。
公式情報の確認日:参照した資料
育成就労とは、どんな制度?
人材育成と人材確保の2つを目的とする制度です。技能実習のような「国際貢献」の制度ではありません。
就労を通じて育てる期間
原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の技能水準の人材を育てることを目指します。3年間働きながら、特定技能1号で働ける力を身につけることを目指します。
受け入れられる分野
特定産業分野19のうち、就労を通じて技能を修得させることが相当な17分野に限られます。特定技能で働ける19の仕事のうち、働きながら技術を学ぶのにふさわしい17の仕事だけです。
受入れ見込数(上限)
令和11年3月末までの受入れ見込数で、受入れ上限として運用されます。令和11年3月の終わりまでに受け入れる人数の見込みで、これが上限になります。
入国の時点では専門性や技能は求められません。就労開始前までに、日本語能力A1相当以上の試験に合格するか、これに相当する講習を100時間以上受けることが求められます。日本に来るときに、技術や経験は必要ありません。ただし働き始める前に、やさしい日本語の試験に合格するか、100時間以上の日本語の授業を受ける必要があります。
技能実習・特定技能とは何が違う?
目的・在留できる期間・入国時に求めるもの・働く会社を変えられるかが違います。
技能実習
令和9年3月末までの制度
- 目的
- 技能等の修得を通じた国際貢献技術を学んでもらい、世界の役に立つこと
- 入国時に求めるもの
- 前職要件・帰国後従事要件があった同じ仕事の経験と、帰国後にその仕事に就く予定が必要でした
- 働く会社を変える
- やむを得ない事情がある場合のみどうしようもない事情があるときだけ
育成就労
令和9年4月1日から
- 目的
- 人手不足分野の人材育成と人材確保人が足りない仕事で、人を育てて確保すること
- 入国時に求めるもの
- 専門性・技能は不要。前職要件と帰国後従事要件は求められません技術や経験は必要ありません。前の仕事や帰国後の仕事の決まりもありません
- 働く会社を変える
- やむを得ない事情のほか、本人の意向でも一定の条件の下で可能どうしようもない事情のほか、条件を満たせば本人の希望でもできます
特定技能
即戦力として働く在留資格
- 目的
- 人手不足分野の人材確保人が足りない仕事で、人を確保すること
- 入国時に求めるもの
- 一定の専門性・技能(試験等で確認)決められた技術や知識(試験などで確かめます)
- 働く会社を変える
- 同じ分野の中で転職できます同じ仕事の分野の中なら、転職できます
在留できる期間は、育成就労が原則3年、特定技能1号が原則5年、特定技能2号は上限がありません。育成就労では家族の帯同は原則として認められません。日本にいられる期間は、育成就労が3年、特定技能1号が5年までで、特定技能2号には上限がありません。育成就労では、原則として家族を連れてくることはできません。
育成就労制度Q&A Q9・Q10(入管庁)(公式サイト・別タブで開く)どの分野で受け入れられる?
育成就労産業分野は17分野です。分野をまたいで働くことはできません。
暮らし・サービス
- 介護分野
- ビルクリーニング分野
- リネンサプライ分野
- 宿泊分野
- 外食業分野
ものづくり・建設
- 工業製品製造業分野
- 建設分野
- 造船・舶用工業分野
- 自動車整備分野
- 飲食料品製造業分野
交通・物流・資源
- 鉄道分野
- 物流倉庫分野
- 資源循環分野
農林水産
- 農業分野
- 漁業分野
- 林業分野
- 木材産業分野
特定産業分野は19分野で、自動車運送業分野と航空分野は特定技能だけの分野です。業務区分は分野別運用方針で定められており、「主たる技能」を修得するために必要な必須業務に、就労時間の3分の1以上従事することが求められます。特定技能で働ける仕事は19あり、そのうちバス・タクシーなどの仕事と空港の仕事は特定技能だけです。どんな作業をするかは分野ごとに決まっていて、中心になる作業を働く時間の3分の1以上しなければなりません。
誰が関わる?
監理支援機関が関わる「監理型」と、外国の支店・子会社から受け入れる「単独型」があります。
育成就労実施者(受入れ機関)
育成就労外国人と雇用契約を結び、育成就労計画に沿って働かせる会社です。育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員を置き、3人とも過去3年以内に養成講習を修了していることが求められます。外国人と雇用の契約をして、計画のとおりに働いてもらう会社です。責任者・指導する人・生活の相談に乗る人を決め、3人とも3年以内に決められた講習を受けている必要があります。
監理支援機関
国際的なマッチング、受入れ機関の監理・指導、育成就労外国人の支援・保護を行う機関で、主務大臣の許可が必要です。技能実習の監理団体は、あらためて監理支援機関の許可を受ける必要があります。転籍の申出があったときは関係機関との連絡調整も担います。外国で働く人を探し、会社を指導し、外国人を助ける団体です。国の許可が必要で、技能実習の監理団体だった団体も、あらためて許可を取り直す必要があります。
外国人育成就労機構
育成就労計画の認定と監理支援機関の許可を扱う機関です。施行日前申請は外国人技能実習機構が受け付けています。育成就労の計画を認め、監理支援機関に許可を出す団体です。施行日より前の申請は、いまの外国人技能実習機構が受け付けています。
送出機関
原則として、二国間取決め(協力覚書)を作成した国からのみ受け入れられます。送出機関が外国人から徴収できる費用の上限は月給の2か月分までで、これを超える費用は育成就労実施者又は監理支援機関が負担します。外国で働く人を送り出す団体です。国どうしの取り決めがある国からだけ受け入れられます。本人が払うお金は給料2か月分までで、それを超える分は会社や監理支援機関が払います。
育成就労計画の認定
技能実習の1号〜3号のような区分はありません。はじめから3年分の計画を1つ作って認定を受けます。
3年分をまとめて1つの計画にする
技能実習では1号から3号までの段階ごとに計画の認定が必要でしたが、育成就労では当初から通算3年の計画を作成して認定を受けます。技能実習では段階ごとに計画を出していましたが、育成就労では最初に3年分の計画を1つ作って認めてもらいます。
- 受入れ人数枠は育成就労実施者の常勤職員数に応じて決まり、1年目から3年目までの合計で数えます。受け入れられる人数は、会社の社員の数で決まります。1年目から3年目までを合わせて数えます。
- 優良な育成就労実施者と認められると受入れ人数枠が広がります。具体的な基準は運用要領で追って示される予定です。よい会社と認められると、受け入れられる人数が増えます。くわしい基準はこれから示されます。
- 農業分野・漁業分野では、派遣元と派遣先が共同で育成就労計画を作成して認定を受けることで、派遣の形態でも実施できます。農業と漁業では、人を送る会社と受け入れる会社がいっしょに計画を作れば、派遣の形でも働けます。
単独型と監理型
外国の支店や子会社の社員等を受け入れる「単独型育成就労」と、監理支援機関が関与する「監理型育成就労」の2つがあります。外国の取引先企業の社員等は単独型では受け入れられず、監理型になります。自分の会社の外国の支店や子会社から受け入れる形と、監理支援機関が間に入る形の2つがあります。取引先の会社の社員は、監理支援機関が間に入る形になります。
技能と日本語は、どこまで求められる?
分野別運用方針が定める一般的な水準です。分野によっては、より高い日本語能力が求められます。
日本語講習の費用は、育成就労実施者又は監理支援機関が負担します。A2目標講習の受講時間を労働時間として扱うことは義務付けられていません。日本語の授業のお金は、会社か監理支援機関が払います。授業の時間を働いた時間として数える決まりはありません。
転籍(受入れ機関の変更)
技能実習にはなかった仕組みです。どちらの場合も、転籍先は同じ業務区分の中に限られます。
やむを得ない事情がある場合
暴力やパワーハラスメントなどの人権侵害を受けた場合等は、技能実習制度から引き続き転籍が認められます。暴力やいじめなどを受けたときは、これまでの技能実習と同じように、働く会社を変えられます。
本人の意向による場合
育成就労で新しく認められた仕組みです。次の条件をすべて満たす必要があります。育成就労で新しくできた仕組みです。次の条件を全部満たす必要があります。
- 分野ごとに定める一定水準の技能と日本語能力を修得していること分野ごとに決められた技術と日本語の力を身につけていること
- 転籍制限期間を超えて育成就労の対象となっていること。転籍制限期間は分野ごとに1年以上2年以下で定められ、1年を超える分野でも育成就労実施者の判断で1年にできます決められた期間より長く働いていること。その期間は分野ごとに1年から2年の間で決まっていて、会社の判断で1年にすることもできます
- 民間の職業紹介事業者による職業紹介等を受けていないこと民間の職業紹介の会社を使っていないこと
- 転籍先が優良な育成就労実施者であること次に働く会社が、よい会社と認められていること
- 転籍先の育成就労外国人のうち本人意向の転籍者が占める割合が3分の1を超えないこと(転籍先が大都市圏にあり、地方から受け入れる場合は6分の1)次に働く会社で、本人の希望で移ってきた人の割合が3分の1を超えないこと
- 転籍先が転籍元に対して、取次ぎ及び育成に係る費用として定められた額を支払うこととしていること次に働く会社が、前の会社にお金を払うこと
本人意向の転籍の手続の具体的な内容や、転籍元へ支払う額を定める告示は、まだ示されていません。本人の希望で会社を変えるときのくわしい手続きや、払うお金の額は、まだ決まっていません。
育成就労制度Q&A Q48〜Q55(入管庁)(公式サイト・別タブで開く)特定技能1号へ移るには
育成就労は特定技能へのステップアップを前提とする制度です。
技能実習2号の良好修了による試験免除はありません。技能に係る試験(技能検定3級等又は特定技能1号評価試験)と、日本語能力に係る試験(A2相当以上・日本語能力試験N4等)の合格が必要です。技能実習のように、試験が免除される仕組みはありません。仕事の試験と日本語の試験の両方に合格する必要があります。
- 試験に不合格となった場合は、最長1年の範囲内で一定の在留継続が認められる可能性があります試験に落ちたときは、最大1年まで日本にいられることがあります
- 育成就労の途中でも、試験に合格し、現に在籍している受入れ機関での就労期間が一定の期間を超えていれば移行できる方針です3年の途中でも、試験に合格していて、いまの会社で決められた期間より長く働いていれば移れる予定です
- 既に特定技能1号で通算在留期間の上限まで在留した人などは、育成就労外国人になれません特定技能1号で決められた期間いっぱい日本にいた人などは、育成就労では働けません
いまの技能実習生はどうなる?
施行日をまたぐ技能実習生には経過措置があります。
- 令和9年4月1日時点で既に来日している技能実習生は、引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けられます。令和9年4月1日にもう日本にいる技能実習生は、そのまま技能実習を続けられます。
- 令和9年3月31日までに技能実習計画の認定申請がなされ、令和9年6月30日までに技能実習を開始する人も同じ扱いです。令和9年3月31日までに申請をして、6月30日までに始める人も同じです。
- 施行日時点の1号技能実習生は、その後も2号へ移行できます。2号技能実習生のうち2号を1年以上行っている人は、3号へ移行できます。1号の人は2号に進めます。2号を1年以上している人は3号に進めます。
- 運用開始後も当分の間は、技能実習2号を良好に修了し、業務に関連性が認められる場合は特定技能1号へ移行できます。しばらくの間は、技能実習2号をきちんと終えていれば、特定技能1号に移れます。
参照した資料
このページは次の公式資料をもとにしています。制度は施行前で、分野別運用要領・審査基準・優良要件など準備中のものが残っています。最新の内容は必ず公式資料で確認してください。このページは、次の国の資料をもとに書いています。制度はまだ始まっておらず、決まっていないこともあります。最新のことは必ず国のページで確かめてください。